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コラム

2023.07.11

下唇の裏側に水ぶくれができて噛んでしまう…この正体とは?

唇の裏側に水膨れのようなものができて、噛んでしまっては潰れ、またできるということを繰り返している場合、それは粘液のう胞と呼ばれるものである可能性があります。名前だけ見るとちょっと怖くなるかもしれませんが、実体は何かというと、唾液線が詰まって唾液の袋ができてしまっている状態です。

粘液のう胞とは

粘液のう胞とは粘液のう胞は主に子供などの若年者によく見られるもので、歳を取るにつれて発生頻度は減っていきます。
できる場所として最も多いのが下唇の裏側で、そのほかにも舌や頬の粘膜にもできることがあります。

一度できてしまうと、食事の時に誤って噛んでしまいやすくなり、のう胞が破れてはまた再発し、ということを繰り返します。

粘液のう胞の原因

粘液のう胞の原因口の中には唾液が分泌される唾液腺が至るところにありますが、唇の裏などにも存在し、誤って噛むなど、何かの拍子でその部分が傷ついてしまうと、唾液腺の開口部分(出口)が損傷し、詰まってしまい、水ぶくれの状態を作ってしまいます。

粘液のう胞の見た目・症状

粘液のう胞の大きさは、一般的に直径数ミリ程度で、周囲の粘膜と同様の色、同様の硬さをしており、中身は唾液ですので透明です。また痛みを感じることは通常ありませんが、潰れるとヒリヒリ痛むことがあります。

何度も潰れて再発することを繰り返していくうちに、徐々に表面が白っぽくなっていき、硬くなっていきます。大きく成長してしまうと、色が青紫色のようになっていくこともあります。

粘液のう胞の治療

粘液のう胞の治療粘液のう胞は、気をつけて噛まないようにしていれば、自然に治癒していくことがほとんどですが、繰り返し噛んでしまうと、なかなか治らずだんだんと大きくなっていきます。特に、お子さんの場合、唇の裏にのう胞ができて出っ張りがあると、わざと噛んでしまうことも多いですし、食事の際に十分に注意しきれずうっかり噛んでしまいやすいので、特に注意が必要になります。

大きくなってしまうと、なかなか治らなくなりますし、食事の際にもどんどん噛みやすくなってしまい、生活にも支障が出てきますので、そのような場合には口腔外科でのう胞を切開して摘出する必要があります。その際、再発を防ぐために、周囲の小唾液腺の組織も一緒に取り除きます。

手術自体は簡単なもので、時間もかかりませんが、術後1週間ほどは傷口に触れると痛みを感じることが多いです。なお、手術をしたとしても数%くらいの確率で再発することがありますが、その際にはまた手術を検討する必要があります。

お子さんの場合、できれば手術というのはご本人の心理的にも避けたいところですので、もし唇の裏に水ぶくれができている場合には、噛まないよう、ご本人にもわかってもらい、注意してもらうことが大事です。

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