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コラム

2023.07.14

知ってますか?歯周病と糖尿病の切っても切れない関係

歯周病と糖尿病。全く別な病気に思えるこれらの病気ですが、実はこの二つの病気にとても密接な関係があって、お互いに影響し合っていることをご存知ですか?

歯周病も糖尿病も、どちらもかかりたくない病気ではありますが、誰にとっても決して無関係であるとは言えないほど、ありふれている身近な病気です。

しかも、どちらかにかかるともう片方もかかりやすくなったり、悪化してしまうという恐ろしい事実がわかってきています。両者の関係について見ていきましょう。

歯周病と糖尿病がそれぞれに与える影響

肥満の男性

糖尿病は、膵臓から分泌されるインシュリン(血液中の糖分を一定に保つ役割を持つホルモン)が十分に働かないために、血管の中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気です。

糖尿病→歯周病への影響

糖尿病になって血糖値が長い期間高いままで放置されると、血管が傷つき、さまざまな合併症が起こってきます。

●視力を失うことがある「網膜症」
●腎臓がうまく働かなくなる「腎症」
●足の感覚が麻痺して壊死してしまう「神経障害」

これらが代表的な合併症ですが、そのほかにも、脳梗塞、心筋梗塞などを起こすこともあります。また、一般的にはあまり知られていませんが、歯周病も糖尿病の合併症として起こってきます。

糖尿病にかかると、血糖値が高くなることで、白血球などの免疫に関わる細胞の機能が低下し、体の免疫機能が落ちてしまいます。そのため、歯周病のような感染症が起こりやすくなってしまうのです。

歯周病→糖尿病への影響

糖尿病になると歯周病を発症・悪化させやすくなることは知られていましたが、歯周病が糖尿病を悪化させるという逆の影響も、最近になってわかってきました。

これは、歯周病の原因菌である歯周病菌が作り出す炎症性物質が血管内に入り込むことで、血糖調整に関わっているインシュリンを邪魔するからだと考えられています。

実際に、糖尿病患者さんの歯周病を治療すると、糖尿病の状態が改善するという例が数多く報告されています。

歯茎がなかなか良くならない場合は要注意

歯茎が腫れている女性

歯茎が炎症を起こして出血するというのは、1日歯磨きをしないだけでも簡単に起こります。ですが、大抵の場合は、その後しっかりと歯磨きをすれば炎症は落ち着き、出血もおさまってきます。

でも、もしどんなに磨いても歯茎の炎症が落ち着かず、出血が出続ける、というような場合、早めに歯科を受診することをおすすめします。

歯茎の炎症や出血が落ち着かない場合、歯石が原因になっている場合というのも多くあります。歯石が付着していると、歯石の周囲に繁殖した歯周病菌が歯茎に炎症を起こし続けてしまうのです。そのため、歯石がついているなら、歯周病を悪化させないよう、早めに歯石をとってもらう必要があります。

でも中には、糖尿病で血糖値が高すぎることが原因で、歯茎の炎症が落ち着かない場合というのもあります。このような場合には、歯石を取ってもなかなか歯茎の炎症が取れないというようなことが起こってきます。

歯医者で歯周病の治療を受けていても、なかなか治らないことで糖尿病が判明する場合もあります。歯茎の出血や腫れなどのサインをしっかりと受け止め、早めに受診することが歯茎の健康、体の健康を守っていくことにもつながります。

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