歯ぎしりというのは眠っている間に無意識に行っているもので、気づいていない人でも多くの人がやっていると言われています。歯ぎしりをする際には非常に強い力が長時間にわたって続くことがあり、歯や歯を支えている組織に多大なダメージを与えることがあります。実際に、歯ぎしりによって歯が折れてしまう、という方も決して少なくありません。
神経を抜いた差し歯が特に折れやすい
神経を抜いた歯が差し歯になっている場合、歯が折れるリスクが高まります。それは、神経がない歯というのは、神経を取り除く際、一緒に血管も取り除かれるため、歯に栄養がいかなくなり、枯れ木のように脆くなってしまうからです。
特に差し歯になっている場合、歯根の内部に人工歯を支えるための芯棒がさされている状態になっていますので、上から強い力がかかると、くさびのような力が働いて力が集中し、折れやすくなります。歯ぎしりのような強い力が持続的にかかると、より一層割れるリスクが高まります。
神経を抜いていない歯でも油断は禁物
神経を抜いていなくても、歯ぎしりがひどいと歯が折れることはあります。また、硬いものをよく食べる人も、噛む力が強くかかりすぎて歯が折れやすい傾向があります。歯は、体の中で一番硬い部分ではありますが、やはり過剰な力がかかってしまうと折れることもあるのです。
就寝中の歯ぎしりや、日中の食いしばりに要注意
歯根破折は、歯周病、虫歯に続き、歯を失う原因の第三位となっています。いくら歯のケアを頑張って虫歯や歯周病を防いだとしても、歯ぎしりや食いしばりがあると、歯をダメにしてしまうことがあるので、十分注意が必要です。
日中の食いしばりは、意識すればある程度コントロールが可能ですが、眠っている間の歯ぎしりは無意識に行われているので、コントロールができません。
それではどう対処すれば良いか、ということになりますが、歯科的な対処法としては、夜間に装着していただくマウスピースをつける、という方法がもっとも簡単です。マウスピースをつけることで、歯に個別に力がかからないようにすることができます。最初は慣れないかもしれませんが、使っていくうちに問題なく使えるようになっていきます。歯ぎしり用のマウスピースは、歯科医院にて保険内でお作りできますので、歯ぎしりが気になる方はご相談ください。
また、食いしばりに関しても、スポーツをされる方はどうしても食いしばる場面などが出てくる場合があります。そのようなケースでも、スポーツ用のマウスピースをつければ歯を保護できますので、興味のある方はご相談ください。