歯茎が痩せる・下がる原因
歯の磨きすぎ
歯茎は、摩擦によって擦り減ってしまいます。ゴシゴシと力を入れて歯を磨いている人に多いのが、歯ブラシが歯茎に強く当たって、歯茎が痩せてしまうケースです。
歯ブラシで磨くのは歯と歯茎の境目までとし、歯ブラシは2本または3本の指で支えるようにしても持ちましょう。
かみ合わせ・歯並び・歯ぎしりなどの圧力
かみ合わせや歯並びが悪いと、不正な力がかかった顎の骨の吸収が進み、それに従って歯茎も下がってしまいます。歯ぎしりや食いしばりがあると、より影響が大きくなります。
歯周病(病気)
歯周病が進行すると、顎の骨が吸収し、それに伴って歯茎が痩せたり、下がってきたりします。
歯周病は初期症状に乏しい疾患です。症状に気づいたら、できるだけ早く歯科医院を受診する必要があります。
加齢
年齢を重ねていくと、どうしても歯茎は痩せてきます。老化現象の1つですが、これに歯周病などが重なると、さらに歯茎は早く痩せていきます。
歯茎が痩せたまま放置するとどうなる?リスクについて
見た目が変わる
健康な歯茎にはハリがあり、薄いピンク色をしています。歯茎が痩せると、どうしても年齢を重ねたような印象になります。
痛い・しみる
歯茎が痩せ、下がってくると、象牙質が露出し、痛みやしみたりといったことが起こりやすくなります。
虫歯になりやすくなる
歯茎が下がって露出する象牙質は、エナメル質より抵抗性が低く、簡単にむし歯になってしまいます。
歯の損傷・抜けやすくなる
歯周病などに伴う顎の骨の吸収によって歯茎が下がっている場合には、歯がグラつく原因になります。そして最悪の場合には、脱落に至ります。
下がった歯茎は元に戻せる?自力で治る?
一度下がってしまった歯茎は、自然に、またご自宅のケアなどで治るということはありません。
ただ、歯ブラシや歯間ブラシ、フロス、洗口液などを使ってセルフケアをしたり、生活習慣を改善することで、歯茎の退縮を遅らせることは可能です。
歯科医院に相談したり、治療を受けながらも、セルフケアや生活習慣の改善はしっかりと行っていきましょう。
歯茎が痩せてしまったときの治療方法
歯周病治療
スケーリング、歯周ポケット掻把術、セルフケアの指導を中心としながら、進行の程度に応じてフラップ手術・歯周組織再生療法を導入します。
歯周組織再生療法
顎の骨の吸収が進んでいる歯周病に対して行う治療です。
歯周組織再生療法は顎の骨の再生を促す治療であり、これにより歯茎の盛り上がりも期待できます。
根面被覆術
歯茎が下がると、それまで隠れていた歯の根(根面)が露出します。
上顎(口蓋部など)から採取した結合組織を、この露出した歯の根を覆うように移植するのが、「根面被覆術」です。当院理事長は根面被覆術を得意としており、他院での矯正治療後の患者様に対して矯正歯科からの依頼で根面被覆術を行うケースも増えてきています。
何らかの原因で歯茎が下がり、その見た目でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
遊離歯肉移植術(FGG)
上顎(口蓋部など)から上皮付きの結合組織を採取し、露出した歯の根を覆うように移植し、縫合します。
その後、2週間後に抜糸します。
結合組織移植術(CTG )
上顎(口蓋部など)から結合組織のみを採取し、遊離歯肉歯肉移植と同様に移植します。遊離歯肉移植術と比べて、歯茎の色が合いやすいというメリットがありますが、より高度な技術が求められます。
歯茎が痩せてきたらどうする?改善方法と対策
セルフケア
下がった歯茎が自然に元に戻ったり、自力で元に戻せるということはありません。しかし、セルフケアを改善しないでいると、症状はさらに進行します。
歯科医院でブラッシング指導を受け、セルフケアを改善することで、歯茎の健康と高さを維持していきましょう。
定期健診
歯茎が下がる原因には、歯の磨きすぎ、歯並び、歯周病などが挙げられます。いずれも、ご自身ではなかなか気づけません。定期的に歯科医院で健診を受け、疾患・問題の早期発見に努めましょう。
また歯科医院で受けられるクリーニングや歯石取りは、歯周病予防という意味でも重要です。
禁煙
喫煙は、歯茎の血流を悪化させ、酸素の供給を滞らせます。歯周病のリスク要因になることもよく知られています。
歯周病や歯茎の痩せを予防するため、身体の健康を守るため、できる限り禁煙してください。
食生活の改善
食生活の乱れは、免疫力を低下させます。すると、歯茎の炎症や腫れ、歯周病が起こりやすくなります。
食生活を改善し、病気に強いお口づくり・身体づくりをしていきましょう。