むし歯・
歯周病・スポーツなどで
歯を失って
しまった時の治療法
むし歯、歯周病、スポーツ中などの事故によって歯を失ってしまった場合には、インプラント、ブリッジ、入れ歯といった方法で、その審美性・機能性を回復させる必要があります。
歯がないまま放置していると、口腔、そして身体への悪影響が生じるため、必ず、いずれかの治療を受けるようにしてください。
このページでは、それぞれの治療の概要とメリット・デメリットをご紹介します。決められないという方も、一度当院にご相談いただければ、ご希望やライフスタイル、予算などをお伺いし、患者様に合った治療を提案します。
インプラント
局所麻酔下の手術によって顎の骨に人工歯根を埋入し、その上にセラミック製の人工歯を取り付けます。天然歯と同じように、顎の骨に支えられているため、周囲の歯に余計な負担をかけることがなく、強く噛めます。またセラミックの人工歯を使用するため、非常に美しい仕上がりとなります。
メリット
- 天然歯と変わらない美しさを取り戻せる
- 健康な歯と同じように強く噛める
- まわりの歯に負担をかけない
- 自分の歯のように磨ける
- 適切に管理し、メインテナンスを受ければ10年、20年、あるいはそれ以上の期間使用できる
デメリット
- 手術が必須
- 自費診療のため費用が高額
- 治療期間が長くなる(2~12カ月)
ブリッジ
歯を失った部位の両隣の歯を削り、そこに連結した人工歯を“橋(ブリッジ)”のように架ける治療です。固定式であるため入れ歯よりも強く噛めます。また人工歯肉がありませんので、入れ歯のような異物感もほとんどありません。
自費のブリッジとして、人工歯をセラミックで作製することも可能です。
メリット
- 入れ歯よりも強く噛める
- 入れ歯よりも見た目が自然
- 治療期間が短い(最短2週間)
- 保険適用が可能
デメリット
- 両隣の健康な歯を削ることになる
- 治療後も両隣の歯に負担をかける
- 歯を抜いたところの顎の骨が痩せる
入れ歯
人工歯と人工歯肉が一体になっており、これを歯を失ったところに装着し、使用します。部分入れ歯の場合には、金属のバネが付属するため、目立ってしまいます。
取り外しができるため、ブリッジよりも口腔の清潔を維持しやすいと言えます。
メリット
- 衛生管理がしやすい
- 治療期間が短い(最短2週間)
- 保険適用が可能
- 基本的にほとんど歯を削る必要がない
デメリット
- 強く噛むことが難しい(天然歯の30%程度)
- 部分入れ歯の場合は金属のバネが目立つ
- 厚みがあり、異物感が大きい
歯が抜けてしまった時の
応急処置
歯周病や事故などの場合は、あるとき突然歯が抜けるということがあります。そういったときにどう対応すべきか、ご紹介します。
なお、事故を原因とする場合には、歯を元に戻すことも可能です。適切に歯を保存し、すぐに歯科医院を受診してください。
止血
歯が抜けた部位から出血している場合には、清潔なガーゼを挟むなどして、止血してください。
通常出血は、数分もすれば止まります。ガーゼがなければティッシュでも構いません。
歯を清潔にする
抜けた歯を探し、拾う際には、歯の根(普段埋まっている部分)を触らないようにしてください。歯の根には歯根膜という膜があり、これが傷つくと再植が困難になるためです。
歯冠部(普段見えている部分)を持って拾い、水道水などで歯を洗ってください。こすったりする必要はありません。
歯を保存する
歯を洗ったら、次は保存です。
生理食塩水または牛乳に浸け、すぐに歯科医院を受診します。生理食塩水または牛乳が用意できない場合には、濡らした布で包みます。
歯がないまま
放置するとどうなる?
歯を失ったまま放置していると、まず気になるのは見た目の問題かもしれません。
しかし、口腔・身体の健康面でも悪影響が生じます。インプラント、入れ歯、ブリッジのいずれを選択するにせよ、できるだけ早く、適切な治療を受けましょう。
口の影響
- 見た目が悪くなり、喋る・笑うことに抵抗が生じる
- 発音に支障をきたす
- 汚れが溜まりやすくなり、むし歯・歯周病のリスクが高くなる
- 隣の歯が傾斜・移動してくるため、歯並び・噛み合わせが悪くなる
- 残存歯に余計な負担をかけ、残存歯の健康・寿命に悪影響を及ぼす
- 噛み合う歯が過剰に伸びる
身体の影響
- 硬い物、噛みづらいものを避けるため、栄養が偏る
- 咀嚼の能力が低下するため、胃腸に負担がかかる
- 栄養の偏りにより、生活習慣病の原因の1つになる
- 脳への刺激が少なくなり、痴呆の原因の1つになる
治療について
歯が抜けたまま長く放置し、口腔・身体での影響が出てきてから「やっぱり治療を受けよう」と思って歯科医院を受診した場合にも、以下のような問題が生じます。
- 歯並びの乱れ、顎の骨の吸収によって、本来であれば不要であった治療が必要になる
- 治療が大掛かりになり、治療費がかさむ・治療期間が長くなる
- 顎の骨の吸収の程度によっては、インプラント治療が容易でなくなることがある
歯が抜けた時は負担が
大きくなる前に歯科医院へ
歯を失った場合には、インプラント、入れ歯、ブリッジと通常は3つの選択肢が提示されます。さらに、入れ歯・ブリッジについては保険・自費とさらに分類されるため、「どれにすればいいのか分からない」ということもあるかと思います。
ただ、ここまでにご説明した通り、「放置」はもっとも悪い結果を招きます。希望する治療法が決まっている場合はもちろんですが、まだ迷っているという段階であっても、一度、当院にご相談ください。ご希望やライフスタイル、ご予算などに応じて、患者様一人ひとりに合った治療法をご提示いたします。